Dcara大学生カーライフマガジン

2023年度大会の振り返りについて書いていきたいと思います．

学生フォーミュラの大会では審査項目に静的審査と動的審査の2種類があります．

静的審査は車両の設計，コスト，設計した車両を販売すると仮定したプレゼンなどの審査項目があり，動的審査は実際に車両を走行させてタイムを競う審査です．また，動的審査に出走するために通過しなければならない車検という項目があります．

　今回は，大会で行われたこの3つの項目について報告していきたいと思います．

静的審査

2023年度大会では静的審査がオンラインで開催されました．

静的審査ではマシン製作のコストの妥当性，競争力を審査するコスト審査，設計の適切さ，革新性，加工性，補修性等を審査するデザイン審査，製造販売のためのプレゼンテーション技術を審査するプレゼンテーション審査の3つの項目が審査されます．

2023年度はプレゼンテーション審査に向けてプレゼン班を作り4人体制で1週間ごとのスケジューリングで準備をしました．22年度から人数を増やしたことで作業の分担が可能になり計画的に準備を進めることができました．しかし，審査では市場分析の結果と販売台数の整合性が取れていない等の指摘があり，内容の詰めが甘く点数を伸ばすことができませんでした．

　コスト審査では車両製作に必要なコストを計上し，その精度が審査されます．

23年度では新たに溶接指示や電装配線を図面上で示したことで高評価を得ることができました．しかし，BOMの個数間違い，加工工程の抜け等の指摘がありました．資料の質を向上させつつ期日通りに提出することで22年度では0点だったDiscussion Scoreを得点源に変えることができました．24年度大会ではより完成度の高い資料を目指したいと思います．

　デザイン審査では車両やチームマネジメントなどを説明し，V字プロセスやPDCAサイクルに則った設計かどうか，独創性等を評価されます．23年度は製作を予定通りに進めることができず車両評価の時間を十分に設けることができなかったことで実際の走行を受けた車両評価が不足していることを指摘されてしまいました．24年度では車両製作を予定通りに終わらせ，走行データをもとにより定量的で説得力のある発表を目指したいと思います．

車検

　大会1日目に技術車検を受けました．技術車検ではルールに定められた車両の安全・設計要件への適合を検査されます．1回目の検査では合格することができませんでしたが，指摘事項を修正し，当日中に合格することができました．

　大会2日目ではチルト試験，騒音試験，チルト試験，ブレーキ試験，ドライバー脱出・フラッグテストが行われました．ブレーキ試験では4輪のタイヤがロックするかをチェックするのですが事前の練習のようにロックさせることができずセッティングに苦戦しましたが無事合格することができました．その他の試験も問題なく合格することができました．

動的審査

　大会3日目から動的審査が行われました．動的審査ではスラローム・シケインなどのコーナーで構成されるコーナーで構成されるコースを1周し，タイムを競うオートクロス，車両の旋回性能を競うスキッドパッド，加速性能を競うアクセラレーション，1周1km弱のコースを2人のドライバーで20週走行するエンデュランスがあります．オートクロスの午前中の走行では満足のいくタイムを残すことができませんでしたが午後の走行ではセッティングを変更しタイムを伸ばすことができました．スキッドパッドでは目標としていた得点を達成することができましたが，事前のテストでのタイムには及ばず悔しい結果となりました．アクセラレーションではエンジンストールといったアクシデントはありましたが，目標としていたタイムに近い記録を残すことができました．

　エンデュランスは大会4日目に出走しました．両ドライバーが大会初出場で練習時間も十分に確保ができませんでしたが無事完走することができました．単気筒エンジンの懸念材料であったドライバー交代時のエンジン始動も一発で始動し，走行後の騒音テストも問題なくクリアすることができました．

結果

2023年度大会では総合14位という結果となり目標順位であった6位には届かず悔しい結果となりました．

やはり，マシンのシェイクダウンが遅れたことによるデータの不足，マシンのセッティングを煮詰めきれなかったこと，ドライバーの習熟不足等が挙げられるため，24年度では早めにマシンを完成させ，エンデュランス・デザイン審査の得点向上を目標としていきたいと思います．

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