Dcara大学生カーライフマガジン

シャシー班とは

　まず初めに、シャシーとは自動車における骨格などを表す言葉です。細かな定義は様々で、その中に含まれるパーツもチームや組織により異なります。

　私たちKRTのシャシーでは、主に車両の骨格となるフレーム、そしてドライバーが直に触るステアリングやシフターといった操作系統のパーツを担当しています。これ以外に、ドライバーの運転のしやすさに直結する乗車姿勢の検討や、ドライバーの座るシート、頭を守るヘッドレスト、様々なパーツからコックピットを隔離するパネルなどのパーツもシャシーの仕事です。

　このようなパーツを扱うため、ドライバーの乗りやすさ、使いやすさを決めているのはシャシーであると言っても過言ではありません。ゆえにドライバーと密にコミュニケーションを取りながら創り上げていくことが非常に重要です。今回は、先に挙げたいくつかのパーツについてより詳しく説明していきたいと思います。

フレーム

　フレームは先ほど少し紹介したとおり、車両の骨ともなる重要なパーツです。車とは、様々なパーツを組み合わせることにより、1台の車として成り立っています。その各パーツがもっといい車になるように作り上げていっても、それを組み付ける土台がしっかりしていなくては意味がありません。取り付けられる各パーツの性能を最大限に発揮できるようにするのがフレームの仕事です。

　私たちの扱っているフレームは、一般的な自動車のフレームのイメージとは異なります。パイプをつなぎ合わせることによって制作するスペースパイプフレームを採用しています。私たちが実際に行っている開発内容としては、フレーム剛性と軽量化の追及です。剛性不足により車両が捻じれてしまうと、サスペンション本来の性能を発揮することが出来ません。このようなことで本来の機敏性が失われないよう、どうしたら車両の性能を最大限に引き出すことが出来るかを考えていきます。加えてフレームとして目指すべき重量目標と、レギュレーションと呼ばれるルールも存在するのです。

　このような多方面からの要求を満たしつつ良いものを作ることこそが、フレームの難しさであり面白さであると言えます。

ステアリング

　私たちのチームのステアリングは、人間が実際に握って使用するハンドルから、実際に足回りにタイヤを切る力を伝えるタイロッドと呼ばれる部分のパーツを示します。ドライバーが直に触って操作するパーツであるがゆえに、ステアリングの完成度は運転のしやすさに直結します。ゆえに、使いやすさといったエルゴノミクスなどはもちろんのこと、信頼性を高めていくことが非常に重要なパーツになっています。

　開発ではドライバーの乗車姿勢から始まり、実際にフィードバックを受けながらハンドルの搭載位置などの設計を進めていきます。また足回り班と繋がるパーツでもあるため、そちらとのコミュニケーションも欠かせません。またハンドルを回転させる力をタイヤを横方向に動かす力へ変換する機構として、ラック＆ピニオンと呼ばれるギアを採用しています。

　私たちのチームでは、このギアのバックラッシの大きさにもこだわり、なるべくバックラッシが小さくなるようなギアの設計を目指しています。これはタイトなコースを走る学生フォーミュラにおいて、ハンドルからの入力に対してどれだけクイックにタイヤが曲がるかが早いマシンを作る上で重要であると考えているからです。

　このような開発を通して、ドライバーが安心して使っていけるようなステアリング機構が作れるよう取り組んでいます。

シフター

　シフターは変速を行うためのパーツです。私たちのチームでは必要な時に迅速な変速が出来るよう、パドル式のシフターを採用しています。

　シフターもステアリング同様にドライバーが操作するパーツであるため、信頼性はもちろんのこと、操作性の向上に努めています。どの程度パドルを引けばギアが入るようにするかの引き量の調整や、引くのに必要な力を適切な重さにできるようなレバー比の設定などをドライバーと相談して決定していきます。また昨年度からは新技術としてクイックシフターを導入し、ドライバーごとの技量差によるタイムロスの低減なども行っています。

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