Dcara大学生カーライフマガジン

皆様、こんにちは。理工学部機械工学科4年の津原です。今回は学生フォーミュラとはどのような競技についてご紹介したいと思います。 

1.学生フォーミュラとは 

日本での学生フォーミュラの大会は2003年に初めて開催されました。ものづくりについてやチーム活動について学ぶ機会を設け、技術者の育成をすることを目的として開催されています。 

2.種目について 

学生フォーミュラには動的審査と静的審査の2種類があります。動的審査は実際にマシンを走らせて競う種目、静的審査はマシンの走行以外での部分を評価する審査となっています。得点は1000点満点となっており、すべての種目の合計得点で大会の順位が決まります。 

動的審査(得点625点) 

動的審査には5種目あり、すべて大会期間中に開催されます。動的審査は静的審査に比べて得点配分が高く、弊チームでは動的種目をメインに目標得点の計算を行っています。 

(1)アクセラレーション(得点：100点) 

アクセラレーションはマシンの加速性能を競う種目で0-75mでのタイムで競います。近年の傾向では多気筒エンジンが上位を占めています。 

(2)スキッドパッド(得点：75点) 

スキッドパッドはマシンの旋回性能を競う種目で8の字のコースの右旋回と左旋回の平均タイムで競います。 

(3)オートクロス(得点：125点) 

オートクロスではコース1周のタイムを競います。レースで言うところの予選に近いものとなります。オートクロスの順位でエンデュランスの出走順位が決定されます。 

(4)エンデュランス(得点：275点) 

エンデュランスは1周約1000mのコースを2人のドライバーが10周ずつ計20周を走行し、その合計タイムを競う種目です。この種目は大会期間中の金曜日と土曜日に開催されます。動的審査で最も得点が高く設定されており、完走できなかった場合に大きく得点を落とすことになるためタイムと同時に完走させられるかが重要なポイントとなってきます。 

(5)効率(得点：100点) 

効率はマシンの燃費を競う種目となっています。この種目はエンデュランスと同時に開催され、エンデュランス終了後に計測が行われます。2024年大会では上位をEVチームが占めていましたが、2025年大会からはICV・EVがクラス分けされるため得点が大きく変わってくることになることが予想されます。 

静的審査(得点：375点) 

静的審査はマシンの走行以外の部分で審査されます。動的審査に比べて得点の配分は低いものの上位を狙うためには静的審査での得点も伸ばす必要があります。 

(1)デザイン(得点：150点) 

デザインはマシンの設計について審査する種目です。具体的にはマシン設計の技術や工夫、また設計が適切に行われているかというところを評価されます。学生フォーミュラではV字プロセスと呼ばれる開発モデルを採用することが多く、目標設定→マシンの設計→評価といった流れとなっています。そのため大会が終わってからその年の目標設定からデザイン審査が始まっているといっても過言ではありません。 

(2)コスト(得点：100点) 

コストではマシンの製造費について審査を行います。以下にマシンを安価に作れているか、製作費の計算がどれだけ正確かが競われます。 

(3)プレゼンテーション(得点：75点) 

プレゼンテーションではチームがマシンを設計し車両製作をする企業に製作依頼するという設定のもとで、ビジネスプランやそれに則った設計・製作手法を取り入れているかを競います。 

3.終わりに 

学生フォーミュラでは大会期間だけでなく、1年間を通して競技が行われています。チームがどこで得点を獲得しているかに注目してみるとより一層学生フォーミュラが面白くなってくると思います。 

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