2024.03.20

2023年大会車両「N.I.T-21」の紹介-名古屋工業大学

 2023年の8月から9月にかけて行われました、第21回学生フォーミュラ日本大会に出場した名古屋工業大学フォーミュラプロジェクト初のEV「N.I.T-21」を紹介します。

 

 

車両コンセプト『 uNITE 3F ~Fast・Familiar・Future~

 

 名工大フォーミュラプロジェクト初のEVは人とマシンとの調和をテーマに掲げ、誰が乗っても速く、安心して走ることができるEVの開発を目指して開発されました。また、uNITEは弊大学の略称でもあり車両名でもある「NIT」が作る初の「EV」という意味も含まれております。

 

Fast…KTT(軽量・低重心・低慣性)を踏襲した運動性能が高いEVである

Familiar…簡単な操作と可制御性でドライバーとの親和性が高いEVである

Future…更なる進化を可能とする将来性が高いEVである

 

 これら「3F」を合わせ持つ(uNITE) EVを作り上げることを目指して開発を続けました。

 

 

 実はこのコンセプトは第21回大会から約2年前の第19回大会終了後、2021年9月に決定されました。当時B4 1名、B2 9名、B1 6名の経験の少ないメンバーが集まり、海外のEVチームのオンボード動画をみんなで見ながら「こんなEVを作ってみたい」と、ワクワクさせながら全員で決めた思い入れのあるコンセプトです。

 

 また、第20回大会車両である「N.I.T-20」は、コンセプトを「for uNITE 3F」として、第21回大会に向けてのメンバーの経験値の蓄積やEV化を見据えた車両開発を行うことを踏まえて、最後のガソリンエンジン搭載マシンを開発しました。

 

 

 表1. N.I.T-21基本諸元

 

 

 N.I.T-1からN.I.T-20まではヤマハ発動機株式会社様の単気筒エンジンを搭載してきましたが、N.I.T-21からは最大出力50kWの同社製モータ・インバータユニットを搭載しています。

 

 高電圧バッテリは株式会社共創様のリチウムイオンバッテリーである「マイティーテン」を96直列2並列で搭載し、高出力・高容量となっています。安全性・信頼性の確保のため、安全回路であるシャットダウン回路を今までのプロジェクトでノウハウのある感光基盤にて製作しました。また、ボタン一つでモータ出力の変更ができるシステムも導入し、ドライバーや審査に合わせることが可能です。

 

 駆動系ではエンジンレイアウトの都合で2017年の第15回大会からシャフトドライブでしたが、マテックス株式会社様の遊星歯車減速機とチェーンドライブにより、高い減速比でコンパクトなレイアウトを実現しています。

 

 シャシーでは高い旋回性能を持つマシンにするため、獲得コーナリングフォースの増加を目指しました。サスペンションは、部品強度の見直しに伴う車両重量の増加によって速度域が低下するため、今までのエアログリップを重視した設計・セットアップから、低速・大舵角時のメカニカルグリップを重視した設計・セットアップになっています。また、操舵力増加も懸念されたためステアリングギア比を変更しています。

 

 ボディは例年同程度の横曲げ剛性とねじり剛性を持ち、かつコンパクトな車体を実現しています。特に初搭載のアルミ製リアバルクヘッド部品は、パワーユニットと駆動系をコンパクトにレイアウトすることを可能にしています。

 

 エアロデバイスの搭載についてはEV化に伴い再議論が行われました。シミュレーションによるタイム向上の確認、商品性、技術ノウハウ伝承の必要性といった多方面の理由から、N.I.T-20のエアロデバイスをベースとすることを決定し、エアロバランスを車両前重量配分に近づけられるようにセットアップを行いました。

 

 

表2. 21回大会結果

 

 

 21回大会の結果はプロジェクト目標であった全種目完走を達成し、総合20位、EVクラス2位でした。オートクロスでは全体で12位、EVクラスでも1位のタイムに迫る走りでマシンの持つ戦闘力を証明しました。また、シフト操作も無くなり、誰でも運転しやすいマシンとなり、エンデュランス審査ではパイロンの接触ゼロを記録しました。そして、1年目のEV開発経験、マシンのデータは今後のEV開発の確かな土台となりました。

 

 そのような車両コンセプトである「uNITE 3F」の実現したマシンが「N.I.T-21」です。

 

 

図1. N.I.T-21プロジェクトメンバー

 

 

線1左

過去大会ランキング

線1右

学生F
自動車部
エコラン

    2023 Ene-1 SUZUKA Challenge
    ソーラーカーレース鈴鹿2023

  • 1
    木本工作所
  • 2
    東郷アヒルエコパレーシング
  • 3
    長野県飯田OIDE長姫高校原動機部A
  • 4
    長野県飯田OIDE長姫高校原動機部B
  • 5
    nn-techエコランチーム

    2023年度 全日本学生
    ジムカーナ選手権大会結果

  • 1
    早稲田大学
  • 2
    慶應義塾大学
  • 3
    日本大学
  • 4
    関西学院大学
  • 5
    千葉工業大学
  • 6
    立教大学

    学生フォーミュラ 日本大会
    2023 開催結果

  • 1
    京都工芸繊維大学
  • 2
    日本自動車大学校
  • 3
    岐阜大学

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