- 2024.02.09
学生フォーミュラとは
学生フォーミュラとは
皆さんは学生フォーミュラというものをご存じでしょうか?
現在ではアメリカ、イギリス、オーストラリア、イタリア、ドイツ、日本の6か国で開催されている学生フォーミュラ大会ですが、日本ではあまり広く知られてはいません。
そんな学生フォーミュラについて、詳しく解説します。
どんな大会?
学生フォーミュラとは、簡単にいうと「学生たちが一年かけてマシンを製作し、その速さや製作過程などを競い合う大会」です。
学生にものづくりの機会を与える目的で1981年にアメリカで初めて開催されました。
正式名称は「学生フォーミュラ日本大会」です。
2023年度の大会には国内外の総勢77チームがエントリーしました。
参加するのは大学だけでなく、高専や自動車大学校などの学生も参加しています。
▲同志社大学の車両(2023)
製作する車両は、写真のようにオープンコックピットのフォーミュラカーのスタイルとなっています。
また、近年ではレシプロエンジンだけでなく、EV車両を製作し、参戦するチームも増えてきています。
それでは、実際の学生たちの活動はどういったものになるのでしょう?
学生だけで作り上げるマシン
車両は、企画、設計から製作まで、すべて学生の手によって作り上げられます。
はじめは設計から。
前回大会の反省点から、改善点、車両コンセプトなどを決定していきます。
3DCADを用いて設計、強度解析なども行っています。
設計の構想が決定すれば、次は製作に取りかかります。
エアロ、フレーム、外装、シートなどなど…パイプを切ったり、溶接したりしながら、ひとつのマシンを作っていきます。
車両製作には、概ね4か月ほどかかります。
そうして作られた車両は、試走会などを経て熟成されて行き、例年9月に開催される学生フォーミュラ大会にてその性能を競い合います。
審査項目
日本大会は、静岡県の小笠山総合運動場(エコパスタジアム)にて、5日間開催されます。
その審査は、車検、静的審査、動的審査の3つに大別されます。
審査項目は全部で8つ。
▲審査項目
車検を通過すれば、動的審査に出走することができます。
静的審査では、いかに自分たちのマシンが優れているのかを伝える能力、コストの正確性などを評価されます。
動的審査では、単純にマシンの加速、転回の速さ、走行速度などの「速さ」、またマシンの信頼性が評価されます。
これらの審査でもっとも得点の高いチームが総合優勝となります。
エンジニアとして重要な、コストやプレゼンなどの要素にもしっかりと点数が割り当てられています。
そのため、総合優勝のためには単にマシンが速いだけではいけません。
学生フォーミュラの魅力
やはり、なんといっても学生フォーミュラの最大の魅力は、車両製作を通して、大学では学ぶことができない実践的なモノづくり、ビジネス体験をすることができることでしょう。
車両の製作には、もちろん車両運動の知識が必要となり、またそれだけでなく、エンジニアに必要な普遍的な知識、スキルが要求されます。
また、スポンサー企業との交渉なども学生自身が行うため、学生ではあまり機会のない貴重な経験を積むことができます。
以上のような、身になる魅力ももちろんありますが、1年間、チームで一丸となってマシンを作り上げ、大会に出たときの達成感は、大学生活の代えがたい思い出にもなるはずです。
それぞれのチームがSNSなどを通して活動の様子を投稿していたりしますので、皆さんも、興味を持たれたら是非、学生たちの活動を覗いてみてはどうでしょう。
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