2024.03.02

学生フォーミュラとは?

学生フォーミュラとは、学生たちで協力し、フレームからフォーミュラタイプのマシンを開発し、競技会でそのマシンの完成度を競い合うというものです。主役である学生が自ら構想・設計・製作した車両により、ものづくりの総合力を競い、自動車技術ならびに産業の発展・振興に資する人材を育成することが、学生フォーミュラの趣旨となっています。

教室の中だけでは優秀なエンジニアが育たないことに早く気づいたアメリカは、『ものづくりによる実践的な学生教育プログラム』として Formula SAE®(SAE International主催)を開催しました。最近では自動車業界のビッグ3とSAE Internationalがコンソーシアムを組んで、100校を超える大学チームが参加する盛大かつ 国際的な大会になっています。会場では、
多くのサポート企業のもとで、 将来自動車産業のエンジニアとして活躍したい学生のリクルーティングの場としても機能しています。また、1998年にはイギリスで、2000年にはオーストラリアで同様のルールによる競技が開催され、日本では2003年から学生フォーミュラ日本大会として開催されています。(1)

学生フォーミュラ日本大会は、毎年8月の終わりから9月の初めの一週間ほどに開催され、2023年大会までは静岡県袋井市のエコパ(小笠山総合運動公園)の屋外駐車場にて、2024年大会からは愛知県常滑市のAichi Sky Expo(愛知国際展示場)にて行われます。審査項目は大きく分けて、コスト、プレゼンテーション、デザインといった静的審査と、アクセラレーション、スキッドパッド、オートクロス、エンデュランス、効率といった動的審査に分けられます。安全性や、デザイン性、そしてレースには欠かせないスピード。トータルで優れたチームが優勝を手にします。

大会では、マシンはアクセラレーション、スキッドパッド、エンデュランス(オートクロス)の3つのコースを走ります。アクセラレーションでは、75mの直線を0km/hから加速し、どれだけ速く走れるかを競います。スキッドパッドでは、定常円旋回のタイムを競います。エンデュランス、オートクロス用コースは基本的にパイロンで作成され、コーナーと短いストレート、スラロームによって構成されています。オートクロスでは1周、エンデュランスでは20周を走行し、タイムを競います。

Fig1. コースのイメージ

ここで、学生フォーミュラの面白い点を二点を紹介します。
まず一つ目は、コストが審査のことです。先ほど話したように、どれだけ安く作れるかも重要になってきます。一般的に、モータースポーツではとにかくお金がかかるため、資金力勝負になってしまいます。例えば、F1の場合、1週間で1億円ほどの資金が開発などにかかってしまいます。そのため、資金力のないチームは勝つことが難しい状況になっているのが現状です。一方、学生フォーミュラでは安く作れたほうが優れているため、たとえ資金力がなくても、工夫次第では上位に食い込むことができます。
 
二つ目は、EV(電気自動車)が増えてきていることです。現在、モータースポーツのレースシーンでは、徐々にはハイブリッド車両が登場してきていますが、依然として内燃機関が主流となっています。しかし、内燃機関には地球温暖化の原因となる二酸化炭素の排出問題や、大気汚染、騒音といった問題が挙げられます。内燃機関をこの先も使い続けていくということは、我々の未来にとっては良くないことなのは明白です。また、レースシーンでEVについて開発をしていくことで、皆さんが乗る市販車へと、その技術をフィードバックすることができます。そのため、モータースポーツでEVを走らせることは、大いに意味があると言えます。近年、学生フォーミュラ日本大会では、電気モータを介して駆動する、EVに転向するチームが増えてきています。我々静岡大学の学生フォーミュラチームも、2022年度大会からEVに切り替えました。

しかしながら、世界では、EVによるモータースポーツはまだまだ少ないのが現実です。地球の未来のためにも、もっとレースシーンでEVが見られるようになると良いなと思います。

Fig2. EVで争われるフォーミュラE (2)

引用元:https://web.motormagazine.co.jp/_ct/17575197

学生フォーミュラは、学生が自動車開発の技術を習得することが目的の大会です。たとえ結果があまり良くなかったとしても、マシンの製作で身についた技術は一生の宝になります。ここで得た知識を、会社で活かしていくことができれば、将来自動車を使う皆が幸せになると考えています。諦めずにチャレンジしていく精神を大切にし、今後も活動していきます。


参考資料
⦁ 学生フォーミュラ公式サイト, https://www.jsae.or.jp/formula/student-formula/about/

,自動車技術会

⦁ フォーミュラEがついに日本初開催へ!激戦のステージは東京ビッグサイト周辺だ,https://web.motormagazine.co.jp/_ct/17575197

, 河村大志

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エコラン

    2023 Ene-1 SUZUKA Challenge
    ソーラーカーレース鈴鹿2023

  • 1
    木本工作所
  • 2
    東郷アヒルエコパレーシング
  • 3
    長野県飯田OIDE長姫高校原動機部A
  • 4
    長野県飯田OIDE長姫高校原動機部B
  • 5
    nn-techエコランチーム

    2023年度 全日本学生
    ジムカーナ選手権大会結果

  • 1
    早稲田大学
  • 2
    慶應義塾大学
  • 3
    日本大学
  • 4
    関西学院大学
  • 5
    千葉工業大学
  • 6
    立教大学

    学生フォーミュラ 日本大会
    2023 開催結果

  • 1
    京都工芸繊維大学
  • 2
    日本自動車大学校
  • 3
    岐阜大学

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