2023.11.12

京都工芸繊維大学 学生フォーミュラ参戦プロジェクト グランデルフィーノ“Grandelfino”

【はじめに】

平素より弊チームの活動にご理解・ご声援を頂き誠にありがとうございます.
本年度でプ ロジェクト 18 年目となる弊チームでは,優勝奪還を目指し 2020 年度にチーム史上初のエンジン載せ替えを行い,2021年度には 3 ヵ年計画をスタートさせて活動をして参りました.
2022 年度大会ではドライサンプ化エンジンを初搭載して大会に臨み,計画 2 年目で総合優 勝を奪還することが出来ました.2023 年度プロジェクトではチーム最大の目標である総合 4 連覇を目指してチーム一丸となって取り組んで参りました.その大会結果を本書にてご報告させて頂きます.
ご一読いただけますと幸いです.

 

【大会結果】

第 21 回学生フォーミュラ日本大会(2023 年)の大会結果は以下の通りです.

本大会ではコスト 1 位,デザインファイナル進出,またプレゼンテーション審査 4 位と 昨年度に引き続き静的審査において好成績を残すことが出来ました.過去大会で静的審査 を経験した先輩方やチームの OB の方々がアドバイスをくださり,ノウハウを途絶えることなく引き継いでいただいたことで安定的に好成績を残すことが出来たと考えています.動的審査についてはコロナ禍が明けて各チームが本格的に活動を再開し始めた中でも,全国でもトップクラスに早期でのシェイクダウン達成し,その後も順調に試験走行を行っ た結果,目標であった試験走行距離であった 400km を達成することが出来ました.
アクセラレーションでは 9 位,スキッドパッド・オートクロス・エンデュランスでは 1 位を獲得することが出来ました.
アクセラレーションではトラブルがあり目標であったタイムを記録することは叶いませ んでしたが,他の種目では目標タイムを達成することができました.

 

【動的審査】

本大会では静的審査が昨年同様にオンラインでの実施となりました.各審査の取り組みに ついては下記のとおりです.
コスト審査については,「正確性の向上」を目標に取り組みました.主に資料作成にあたったのは2 年生のメンバーでしたが,このメンバーは入部時に新入部員講習の一環としてミ ニカー講習を実施し,そこでコスト審査の先駆けを行っていたため,コスト書類の取り組み において即戦力となってくれました.また,過去に資料作成の統括を行った上級生によって繰り返しチェックを行っていただいたことで,ミスの少ない書類を完成することができたと感じます.一方で書類の提出段階において,メンバーの全員の進捗管理に抜けがあり期限 内にすべての資料を完成させることが出来ず遅延提出となってしまいました.この反省に ついては来年度に引継ぎ,完全な状態で提出できるようにして参ります. プレゼンテーション審査については,4 位を獲得することが出来ました.昨年度 1 位を獲 得できた要因を分析し,この審査について割く人的・時間的リソースを多くしたこと,そしてメンバー全員で認識の共有を徹底したことが成功につながったと感じております.SPD を記入するメンバー,プレゼンテーション資料を作成するメンバー,実際に発表するメンバーで認識の齟齬が生じないように全員で議論する時間を多く設け,意識統一を徹底することで質を向上させ,今年度も高評価を頂くことが出来ました. デザイン審査については,昨年度変更された提出書類のフォーマットに対応し,先輩や OB・OG の方々に意見をもらうことで,質の高い書類を作成することができました.当日 発表でも作成した資料に対する理解を十分に深め,質疑応答でも自信を持って堂々と回答 することが出来たことで,デザインファイナルに進出することが出来たと考えています. 各審査についての経験を次の代にも引継ぎ,安定して高順位を維持できるよう取り組みを 継続して参ります.

 

【1,2日目 車検】

大会初日から 2 日目にかけて,車検が実施されました.弊チームは初日 16 時から技術車 検の予定となっており,大会会場に到着後からそれぞれ車検に向けて最終確認を行いました.結果としては 1 箇所の指摘項目が発見され,車検が終了と同時にピットクローズとなりました.2 日目の朝に指摘事項の対応を完了し,技術車検を突破することが出来ました. その後はドライバー脱出・フラッグテスト・チルトテスト・騒音測定・ブレーキテストと, 順調に進み,14 時にはすべての車検項目を通過することが出来ました.以降ピットクローズまで翌日の動的審査に向けてサスペンションセッティングを行い,万全の状態へと準備しました.

 

【3日目 動的審査①】

大会 3 日目はエンデュランス・燃費種目以外の動的審査が実施されました. 前日の晩にダイナミックのメンバーとドライバー全員で出走順などについて作戦を練り,当日に臨みました.
午前中のセッションについてはまずオートクロスに出走しました.ドライバーは M2 の藤 田で,無事そのセッションの最速タイムを記録することが出来ました. 続いてアクセラレーションに出走しましたが,1 回目の出走の後にパワートレインパーツ に不具合が出てしまい,この出走以降はトラブル対応に追われることとなりました.幸いに トラブルが出てしまったパーツを他チームからお借りすることができ,代替パーツにて再 車検を行い,午後のセッション終了 10 分前にスキッドパッド出走が叶いました.ドライバーは B4 の佐藤で,2 回目の走行で最速タイムを記録することができました.ただ,出走予 定であった新ドライバーである 2 年生ドライバーのアクセラレーションの出走が惜しくも 間に合わず,チームのアクセラレーションの記録は午前中に 1 回出走したタイムが記録されることとなり,悔しい結果となりました. その後午後の最終セッションとなるオートクロスに再び出走しました.ドライバーはチー ムのエースドライバーである M1 の久保で,午前のセッションで藤田が好タイムをマークしていたことから,1走目からよりタイムを狙った走行をすることができました.午前中のセッションに参加しなかったチームが多く出走列に並んだことや第 2 ドライバーであることから出走待ち時間が長く,緊張の時間が続きましたが,メンバーの期待に応えこの日最速 タイムを残してくれました.

 

【4日目 コスト審査、デザインファイナル】

前日のオートクロスにおいて1 位を獲得し,エンデュランス出走予定が最終日となったため,4 日目新入部員の教育を兼ねて他チームの車両見学を行いました.
新入部員にとっては初めて他チームの車両を目にする機会となり,自分の担当パーツについて上級生と共に質 問をすることで,基礎的な知識や設計の幅を広げることができました.また今年度よりコスト上位チームに対して監査が実施され,弊チームも監査を受けました.大会前に提出した資料と実際のマシンに違いがないかマシンとともに質問を受ける審査であり,初めての経験で準備段階から緊張していましたが,問題なく終えることが出来ました.
また午後にはデザインファイナルが実施されました.昨年度もデザインファイナルを経験することが出来ていたため,スムーズに準備を進めることが出来ました.結果としては 4 位でしたが,それぞれの担当者が自分の担当部分について自信をもってディスカッション することで,大きなトラブルなく終えることができました.

 

【5日目 動的審査②】

大会最終日となる 5 日目にはエンデュランスに出場しました.
弊チームはオートクロスで 1 位を獲得したため,出走順は最終となりました.第 1 ドライバーは久保,第 2 ドライバー は藤田で臨むこととなりました.昨年度のマシンでは冷却面における信頼性に課題が見られたため,今年度はパワートレインの信頼性を大幅に向上して大会に臨みました.大会前からエンデュランスシミュレーションを複数回実施できたため,その部分に関しては大きな 不安はなく出走しました.ただし,3 日目からオイルラインのトラブルがあったため,エンデュランス走行中にオイルが漏れないように対策を施したのちの出走となったため,不安が 残る出走となりました. ライバルチームであった名古屋大学 EV がトラブルでエンデュランス完走が出来なかった ため,弊チームは余裕をもったラップタイムでも十分に総合優勝ができる状況ではありま したが,静岡での大会実施ラストイヤーであったので大会レコード更新を狙って出走しま した.前半 10 周のエースドライバーの走りで目標であったコースレコードを更新すること ができ,その後は安定した走行で周回を重ねて 10 周の走行を完了しました. ドライバー交代については出走前にも練習をしていたことから余裕をもって終えること ができ,無事エンジンを再始動することができました.後半の走行でも安定して周回を重ねることが出来ていました.17 周目にパーツが脱落するトラブルが発生しましたが.幸いその場で走行中止の判断がなされることはなく,走行を続行して 20 周走りきることが出来 ました.その後の騒音測定については無事に通過し,大会種目を全て完走した上で終えることができました.

 

【最後に】

弊チームのエンデュランス中のパーツ脱落に対しての裁定や他チームのトラブルもあり, 大会最終日中に総合結果が発表されませんでしたが,後日の発表により弊チームのトラブ ルにペナルティが課されることはなく,2 位に対して約 150 点差をつけて総合優勝することが出来ました.コロナ禍が明け,他チームの活動が本格的に再開する中でも再び優勝する ことが出来たのは,新型コロナウイルス感染症流行前と変わらぬご支援を頂いた結果であると考えます.改めて,弊チームの活動に賛同して頂いているすべての皆様に感謝申し上げます.
今後は弊チームの最終目標である 4 連覇に向けてさらに精進してまいります.代替わりを行い新チーム体制となりますが,これまでの引継ぎを十分に行いさらにステップアップして参りますので,今後とも弊チーム”Grandelfino”を何卒よろしくお願い申し上げます.

線1左

過去大会ランキング

線1右

学生F
自動車部
エコラン

    2023 Ene-1 SUZUKA Challenge
    ソーラーカーレース鈴鹿2023

  • 1
    木本工作所
  • 2
    東郷アヒルエコパレーシング
  • 3
    長野県飯田OIDE長姫高校原動機部A
  • 4
    長野県飯田OIDE長姫高校原動機部B
  • 5
    nn-techエコランチーム

    2023年度 全日本学生
    ジムカーナ選手権大会結果

  • 1
    早稲田大学
  • 2
    慶應義塾大学
  • 3
    日本大学
  • 4
    関西学院大学
  • 5
    千葉工業大学
  • 6
    立教大学

    学生フォーミュラ 日本大会
    2023 開催結果

  • 1
    京都工芸繊維大学
  • 2
    日本自動車大学校
  • 3
    岐阜大学

トータルテクニカルソルーションズ

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