- 2025.04.06
学生フォーミュラのパワートレインについて(ICクラス編)

学生フォーミュラのパワートレインは大きく分けてEVとICに分かれます.近年ではヨーロッパの大会ではICクラスが廃止されたり,日本チームもEVへと転向するチームが増えてきたりとEVが盛り上がりを見せていますが,今回はICクラスについてご紹介したいと思います.
まず,エンジンについて.エンジンは4サイクルで総排気量710cc以下に限られます.排気量の制限や種目の特性等から多くのチームがバイク用のエンジンを使用しており,450ccの単気筒や700ccの2気筒,600ccの4気筒等様々なエンジンが用いられています.また,中には780ccのエンジンの排気量を落として使用したり,多くのチームがNAのところ,バイク用のエンジンに過給機を搭載して参戦するチームもあります.このように色々なエンジンが使われているため,大会では様々な迫力あるエンジンサウンドが楽しめるところがICクラスの魅力の一つです.
次に吸気系についてです.ガソリン車は内径20mmのリストリクター(吸入空気量制限装置)の装着が義務付けられており,配置順序はNAでは「スロットル→リストリクター→エンジン」と定められています.学生フォーミュラICクラスの第一の壁がこのルールです.吸気系が純正とは大きく異なるため大半のチームがフルコンを導入します.しかしエンジンの試験は設備上,簡単には行えないという現実があります.そのため,確実に始動させ,かつアイドリングを安定させられるようにするだけでも非常に大変です.
一方,排気系にはアイドリングで103dBC以下,規定回転数(エンジンによって異なる)で110dBC以下という音量に関するルールがあります.第二の壁です.規定回転数の110dBC以下を達成するのももちろん難しいですが,アイドリングを安定させるために高回転でアイドリングしてしまうと音量オーバーになってしまうため、こちらも非常に苦労します.
他にもたくさんのルールがありますが,その多くが安全性や公平性を担保するためのものであり,デザインが画一的になってしまうようなことはありません.そのため,各チームそれぞれコンセプトを実現するために,目標を達成するために,速い車にするために創意工夫を施します.ぜひ個性溢れた学生フォーミュラのICクラスにご注目下さい.
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