- 2025.08.01
名古屋大学フォーミュラチームFEM パワートレイン(電装)部門の製作

目次
1.はじめに
2.安定した走行の大切さ
3.レイアウト設計
4.台上火入れ
5.走行会でのエラー出し
6.おわりに
はじめに
名古屋大学フォーミュラチームFEMは、4輪インホイールモーターを採用し、4つのタイヤそれぞれにモーターを搭載し制御することで、高い動力性能と運動性能を達成しています。2024年度の大会では、そのポテンシャルを活かし、EV・ICVの全体順位で総合2位を獲得しました。しかし、電気自動車だからこそ、電気的なトラブルで走行できないなどの苦労もあります。今回は、マシンを安定して走行させるための電装部門の取り組みについてご紹介します。
安定した走行の大切さ
私たちのチームは2022年度の大会で電気車検を通ることができず、動的種目に参加することができませんでした。これは、初めて挑戦したカーボンモノコックによるシェイクダウンの遅れや、電装エラーの原因特定に時間がかかったこと、さらにはコネクタや配線へのアクセスが悪く整備性が低かったことなどが重なったためでした。この経験から私たちは、高い運動性能はもちろんのこと、安定した走行と走行時間の確保を目標として掲げ、改善に取り組んできました。
レイアウト設計
私たちは10月頃に車両全体のレイアウトを設計しています。電装部門では、特にバッテリーやコネクタへのアクセス、そしてデバッグ時のパーツの着脱のしやすさを考慮して設計を進めます。車両のレイアウトが確定したら、配線のCADを作成し、配線の経路なども検討していきます。

配線CADの様子
台上火入れ
私たちは、車両に載せる前に電装パーツを車両の外で組み上げ、電気的なテストを行っています。これを私たちは「台上火入れ」と呼んでいます。テストは段階的に行われ、最終的にはモーターを実際に回したり、テレメトリを表示するところまで行います。この段階でエラーとなる可能性のある箇所を事前に特定しておくことで、車両に組み込んだ後のシステム動作をスムーズにできます。

台上火入れの様子
走行会でのエラー出し
カーボンモノコック(ボディ)が完成すると走行会が始まります。実走行ならではの振動やノイズによって、新たなエラーが出てくるようになります。私たちはこれを「エラー出し」と呼んでいます。一日かけても、わずか十数分しか走れないことも珍しくありません。しかし、一つ一つ原因を究明していくことでだんだんと安定して走行できるようになっていきます。

FEM21の初めての走行会の様子
おわりに
このように、大会で高い運動性能を発揮したマシンの裏には、安定した走行を実現するための努力があります。それでも、大会では初めてのエラーに遭遇することもあり、まだまだ多くの課題が残っています。今年の大会で私たちのマシンの圧倒的な走りをお見せできるよう、これからも日々精進していきます。
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