Dcara大学生カーライフマガジン

こんにちは！静岡大学学生フォーミュラチームSUMです。今回の記事では、「学生フォーミュラ」とは何かについてご紹介します！

目次

1.はじめに

2.車検

3.動的審査

4.静的審査

5.おわりに

1．はじめに

「学生フォーミュラ」とは、大学生や高専生がチームを組み、1年間かけてフォーミュラカーを設計・製作し、その完成度を競う大会です。単なるレースではなく、設計から製作、コスト、　　　プレゼンテーションまで、実際の自動車開発を体験できる貴重な機会です。この大会を通じて、ものづくりの楽しさや厳しさを学び、創造力や技術力を大いに鍛えることができます。また、産学官が一体となって次世代のエンジニア育成を支援しています。

Fig.1　誠心誠意製作中！

2．車検

学生フォーミュラの動的種目に参加するためには、まず車検に合格しなければなりません。車検は、マシンが安全に走行できるかどうかを確認する重要なプロセスです。以下の項目がチェックされます。

・機械車検―設計基準を満たし、安全に走行できるかをチェック。

・脱出テスト―事故が起きた事を想定しドライバーが5秒以内に脱出できるかを確認。

・フラッグテスト―ドライバーがフラッグの意味を瞬時に理解できるかチェック。

・電気車検（EVのみ）―電気系統の安全性を厳しく審査。

・チルト試験―マシンを傾け、ガソリンやオイル漏れ、横転のリスクを確認。

・騒音試験（ICVのみ）―排気音が大きすぎないかをチェック。

・レインテスト（EVのみ）―水をかけて漏電がないかを確認。

・ブレーキ試験―4輪すべてがロックするか確認し、安全性を証明。

これらは、マシンの安全性と性能を証明するために重要な項目であり、事前準備が欠かせません。

Fig.2　チルト試験で安全性をしっかり確認！

3．動的審査

車検をクリアしたチームだけが挑める動的審査。ここでは、マシンの走行性能を実際に試すことが求められます。以下の5項目が動的審査の内容です。

・アクセラレーション（100点）―0-75mの加速力を競う。

・スキッドパッド（75点）―8の字のコースで旋回性能を試し、安定したコーナリングが求められる。

・オートクロス（125点）―1周タイムアタックで直線・ターン・スラロームの走行性能を競う。

・エンデュランス（275点）―約20kmの耐久レースで走行性能，耐久性などを競う。

・エネルギー効率（100点）―速さだけでなく、エネルギー効率も評価対象に。

細かな部分まで気を配り、全力で挑む熱い戦いが繰り広げられます！

Fig.3　大会で走行中のマシン「浜風 SE-124」

4．静的審査

静的種目は、車両の設計やコスト管理、プレゼン力を競う重要な審査項目です。動的審査とは異なり、実際の走行性能ではなく、チームの準備状況や戦略的な考え方、設計に対するアプローチが問われます。以下の3項目が静的審査の内容です。

・デザイン審査（150点）―設計の適切さ、革新性、加工性、補修性等を審査。

・コスト審査（100点）―コスト算出の妥当性や競争力を審査。

・プレゼンテーション審査（75点）―製造販売のためのプレゼンテーション技術を審査。

これらの審査を通じて、設計の適切さやコスト算出の妥当性など、車両の走行性能以外の側面も審査されます。

Fig.3　デザインの当日審査を控え、緊張した様子の部員

5．おわりに

学生フォーミュラは単なる競技ではなく、ものづくりの様々なスキルを学べる貴重な経験の場です。車両の設計や製作、走行を通じて、技術力だけでなく問題解決能力も鍛えることができます。さらに、チームメンバーとの協力を通じて、社会人として求められる能力も養われます。未来のエンジニアとして技術の向上に貢献していけるよう、学生フォーミュラを通じ、　　　　　　　　　今後も学び続けていきたいと思います！

参考文献

1)公益社団法人自動車技術会，学生フォーミュラ公式サイト(参照2025-02-28)

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